木村神社

この神社は船越八幡神社に隣接して鎮座しています。
その昔、心優しい木之花佐久夜毘売命が、船越八幡神社のお使いの竹内宿禰命の「藁一把分でこの社地を借りたい」という計略に懸かって、その社地全てを船越八幡神社に貸すことになったというものです。
長い歴史の中、神社が遷座することはままあることですが、その際未だに語り継がれるような何かが、この二社間であったと云うことなのでしょうか?
面白いことに、現在も船越八幡神社のお祭りでは、借地料としてこの社へ月の数だけネコヤナギの箸をお供えし、そして八幡神の怒りは未だに解けず、竹内宿禰命が御祭神の高良神社は、祭礼時も社殿の扉を開けてもらうことが出来ないのだそうです。

御祭神:木之花佐久夜毘売命

由緒:天孫「邇邇芸命」が日向の高千穂峰に天降られて後、笠紗の岬で絶世の美人に遇われる。名を訊ねると、「大山津見神」の女で「神阿多津比売」又の名を「木之花佐久夜毘売」であると答える。そこでその父神「大山津見神」に結婚の許しを求めると、父神は大層喜び、その姉「岩長比売」を副えて邇邇芸命に奉る。
「岩長比売」を差し上げた理由は、天神の御子の命が石のごとく永遠に続くようにという意味をこめ「木之花佐久夜毘売」を差し上げた理由は木の花の栄えるごとく、お栄えなさるようにという意味をこめておりました。
やがて佐久夜毘売は「火照命」「火須勢理命」「日子穂穂出見命」の三神をお産みになりました。
日本一の山、富士山の御祭神も「木之花佐久夜毘売」であり、当神社も美しい御祭神をたたえ、なお一層の御神徳をいだかれますようお祈りいたしております。
「岩長比売」は氏子地区である仁尾町家の浦の「磐長比売神社」(大将軍神社)にお祭されております。
(境内案内より)

香川県三豊市詫間町大浜1638